「会話が減った家族」──空間のエネルギーを整えたら、心が近づいた

カーテン処方事例 Case 04

■ クライアントプロフィール

  • 年齢・性別:50代・女性(主婦)
  • 家族構成:夫・大学生の娘・高校生の息子(4人家族)
  • お悩み:「家族の会話が減って、リビングがどこか冷えた空間になっている気がする。テレビを見て黙って過ごすだけになっていて、以前のような笑いがない。」

■ すれ違いのリビング──「集まるけど、つながらない」

相談に来られたHさんは、長年主婦として家庭を支えてきた方。

以前は夕飯時に家族全員がリビングで会話を楽しみ、笑い声が響く時間も多かったそうです。

ところが、ここ数年、家族がそれぞれスマホを見たり、個室で過ごす時間が増え、リビングが単なる「食事の場」「通過点」になっていると感じていたといいます。

「集まっているのに、心がバラバラな感じがするんです。なんとなく寂しくて…でも、どうしたらいいかわからなくて。」

空間そのものの“気配”が、人の関係性に影響を与えているかもしれない。

そう感じた私たちは、リビングの五行バランス診断を実施しました。

■ 診断結果:「金」と「水」が過剰で、「火」と「土」が不足

Hさん宅のリビングは、白やグレーを基調にしたシンプルモダンなインテリア。

家具や装飾は少なく、整ってはいるものの、どこか冷たさを感じさせる空間でした。

診断の結果、空間に漂っていたのは「金(水も含む)」のエネルギーの強さ。

これは「静けさ」「個」「距離感」「冷静さ」を象徴します。

一方、家族のつながりや共感、ぬくもりを象徴する「火」や、安心感と居場所感を与える「土」のエネルギーは著しく不足していました。

木:2
火:0
土:0
金:5
水:1

■ カーテン処方:「火」と「土」で感情を開き、安心感を育む空間へ

五行の偏りを調整するために、次のようなカーテン処方をご提案しました。

① 「火」のエネルギーで、感情とコミュニケーションを促す

温かみのある暖色カーテン(オレンジ・ベージュ系)

火は、笑い・共感・会話といった感情のやりとりを象徴します。

そのエネルギーが不足すると、人は内向きになり、心を閉ざしがちに。

そこで、Hさん宅にはオレンジベージュの温色カーテンを導入。

リネンライクな質感と相まって、目に入るだけで安心し、ふっと心がほどけるような感覚を与えます。

② 「土」のエネルギーで、居場所としての“重心”を整える

厚手のカーテン+ラウンドフォルムのドレープデザイン

土は、どっしりとした安定・母性的な包容感・居心地の良さを象徴します。

視覚的にも、空間の“重心”をつくる重要なエレメント。

軽すぎるレースカーテンやスリムな窓周りでは、心理的にも“腰が落ち着かない”感覚になります。

今回は、裾が広がるドレープカーテンを厚手で仕立て直し、空間の安定感を演出。

座っているだけで「ここにいていいんだ」と感じられる“空気のクッション”が生まれました。

③ 間接照明との連動で「夕暮れのような安心感」を再現

さらに、火と土の相乗効果を高めるために、
カーテンから漏れる間接照明とのバランスも整えました。

夕暮れ時のような暖かい色味が、カーテンの布地を通して室内に柔らかく広がり、
自然と視線が交差し、「会話が生まれるきっかけ」をつくる空間設計となりました。

■ 結果:「居たくなる」空間になり、会話と笑顔が増えた

施工から約2週間後、Hさんから嬉しいご報告をいただきました。

「最近、家族が食事後もそのままリビングに残るようになって、
なんとなくみんなでテレビを見たり、会話が自然に始まるようになったんです。
気がついたら笑っていたりして、ああ、これが欲しかった時間だなって思いました。」

リビングの色が変わったことで、家族全体の空気も柔らかくなり、
一人ひとりが「この場所に居たい」と思える空間になったのです。

■ この事例からの学び

課題家族の会話とつながりが減っていたリビング
五行バランス金・水が過剰、火・土が不足
処方内容オレンジベージュの厚手カーテン/ラウンドフォルム/暖色照明連動
効果会話・笑顔・滞在時間の増加/心理的な安心感の向上

🏡 家族関係は、空間で変えられる。

家族の関係性は、言葉だけではなく「場」によっても育まれます。
その“場”をつくるのが、色や素材、デザインがもたらす五行エネルギーのバランス。

誰かの気持ちが少しずつ閉じてしまったとき、
言葉より先に空間を整えることで、
もう一度、心の距離を近づけることができるのです。

カーテンは、ただの布ではありません。
それは、家族の心と心をつなぐ“感情導線”でもあるのです。