「色の処方」とは?五行と色彩心理がつくる、空間と心のバランス

「なんとなく落ち着かない部屋…」
「リビングが暗くて気分まで沈んでしまう」
「寝室にいてもリラックスできず、眠れない」
このような悩みを抱える方は意外に多く、実際にご相談に来られる方の多くが、「空間そのものに原因があるなんて思わなかった」とおっしゃいます。
部屋の色、光、素材、配置。それらの一つひとつが、人の感情・行動・健康状態にまで影響を与えているというのは、空間心理学やカラーセラピーの分野ではもはや常識となりつつあります。
本記事では、カーテンカウンセラー®講座の中核メソッドである「色の処方®」について、
- どんな考え方に基づいているのか
- なぜ“ただの色選び”ではなく“整える処方”なのか
- 空間と心を同時に調えることで起こる変化とは
という視点から、わかりやすく解説していきます。
「色の処方」とは?
「色の処方」とは、東洋の五行思想と西洋の色彩心理学を組み合わせ、空間と人の心身を整える独自の提案メソッドです。
一般的なカラー提案では、「トレンドカラー」や「お客様の好み」「インテリアの調和」といった感覚的・装飾的な視点が中心となります。
しかし、色の処方では、
「この空間に、どんなエネルギーの偏りがあり、それが心身にどう影響しているか?」
「その偏りを、色彩の力で“処方”として整えるには、どの色・素材・組み合わせが最適か?」
という、「色=整える手段」として捉える実践的アプローチを取ります。
いわば、薬に“処方箋”があるように、空間にも“色の処方箋”がある――それが、色の処方です。
メソッドのベース:「五行思想」と「色彩心理」の融合
色の処方は、以下の2つの要素を軸に設計されています。
① 五行思想:空間と人のバランスを見る「東洋の診断ツール」
五行とは、「木・火・土・金・水」の5つの自然エネルギーのこと。
古代中国の自然哲学に基づき、季節、色、感情、臓器、素材など、あらゆるものが五行に分類され、バランスを取ることで健康・調和が得られるという考え方です。
たとえば、
- 木=成長、始まり、緑、春、風、肝、怒
- 火=発展、情熱、赤、夏、陽光、心臓、喜
- 土=安定、育成、黄・茶、梅雨、湿、胃、思
- 金=収束、決断、白・グレー、秋、乾、肺、悲
- 水=静寂、蓄え、青・黒、冬、冷、腎、恐
これを応用すると、
「最近、怒りっぽいのは“木”のエネルギーが強すぎるのかも」
「なんとなく不安で落ち着かないのは、“土”が不足してるのでは?」
といった形で、人の感情・体調・空間の状態を“気のバランス”から見ることができるのです。
この五行の診断は、「命式診断」や「空間チェック」などを通して視覚化・数値化できるようにしており、占いやスピリチュアルではなく、実務ベースの提案に活用されています。
② 色彩心理学:色が感情・行動に与える“科学的な影響”
一方で、色彩心理学は欧米を中心に発展してきた実証的な学問です。
- 青:冷静、集中、安心
- 赤:活力、興奮、食欲
- 緑:安定、調和、回復
- 黄:希望、社交性、注意力
- 白:純粋、清潔、新しい
- 黒:威厳、高級感、閉鎖性
など、色の持つ印象や作用は脳科学・心理学的にも多くの研究がなされており、マーケティングや医療、教育現場でも活用されています。
色の処方では、この色彩心理学の「影響力」と、五行思想の「バランス理論」を融合させ、
- クライアントの五行バランス(診断)
- 空間の偏り(色・素材・光)
- 目的(リラックスしたい/集中したい/家族の会話を増やしたい など)
に合わせて、「色で整える」実務的な処方提案を行います。
なぜ「処方」と呼ぶのか?|感覚ではなく“理論に基づいた整え方”
多くの人がインテリアを選ぶとき、こう考えます:
「なんとなく落ち着く色を選ぼう」
「明るい色で気分を上げようかな」
「好きな色に囲まれて暮らしたい」
もちろん「好き」は大切な要素です。
しかし、色の処方ではもう一歩踏み込んで、
「あなたの今のエネルギー状態はこうで、ここを整えるには“この色”が必要なんです」
「この部屋には“火”のエネルギーが過剰だから、ブルーで冷却し、厚手の素材で“土”を補いましょう」
というように、処方箋を出すように、色・素材・形状を整えていくのが特長です。
これによって、
- 感情の波が穏やかになった
- 睡眠の質が明らかに良くなった
- 家族の会話が増えた
- 作業がはかどるようになった
といった「内面の変化」につながっていくのです。
カーテンでできる「色の処方」の効果とは?
色の処方の提案対象として最も扱いやすく、効果が現れやすいのが「カーテン=窓まわり」です。
なぜなら、カーテンには以下の特徴があるからです:
- 視界の中でも占有率が高い(部屋の印象を大きく左右)
- 光を通して空間全体の「気」を変える
- 色・素材・形状で多角的な調整が可能
- 手軽に変えることができ、導入ハードルが低い
たとえば、カーテンの色をオフホワイト → グリーンに変えただけで「家族が落ち着いた」という例もあります。
素材で言えば、テカテカしたポリエステル → リネン素材に変えたことで「呼吸が深くなった」と感じる人も多くいます。
つまり、カーテンこそ“空間と心身の状態を整える起点”に最適なアイテムなのです。
色の処方を学ぶと、こんな未来が開ける
インテリアを“装飾”ではなく“整える手段”として扱えるようになると、
- 接客時に「色で迷う」お客様に対して、的確な根拠あるアドバイスができる
- リピート・紹介につながる“信頼される提案”ができる
- 「あなたの提案で決めたい」と言ってもらえるようになる
- 家具やリフォームにも応用しやすく、クロージング力が上がる
- 自宅やサロンで、自分自身の心身を整える空間づくりができる
など、仕事としてもプライベートとしても「選ばれる専門性」が育っていきます。
まとめ|色の処方は“生き方を整えるメソッド”でもある
色の処方は、単なるインテリア技法ではありません。
空間を整えることは、そこに暮らす人の心を整え、行動を変え、人生の流れまで変えていくことに直結します。
「なぜかわからないけど、この部屋にいると落ち着く」
「カーテンを変えただけで、家族の空気が変わった」
「寝室の色を整えたら、ぐっすり眠れるようになった」
こうした小さな変化の積み重ねが、
やがて“生き方そのものの質”を高めてくれる。
それが、色の処方の本質です。
📌カーテンカウンセラー講座では、「色の処方」を実務で使える形で学べるカリキュラムをご用意しています。


