「すぐ飽きちゃう」「集中が続かない」——落ち着きと自信を育てる“空間処方”

カーテン処方事例 Case 05
■ クライアントプロフィール
- 年齢・性別:40代・女性(母親)
- 子ども:小学3年生の男の子
- お悩み:「子ども部屋で勉強させたいけど、集中が続かずすぐ出てきてしまう。落ち着かない・こもれない・飽きてしまうようで、結局リビングでダラダラする毎日に…」
■ 変えたいのは「習慣」より「空間」だった
「どうしてこの子は集中できないんだろう?」
「私の声かけが足りないのかな…」
そんなふうに悩みながらも、どこかで“環境のせいかも”と思っていたというお母さま。
お話を聞いた私たちが最初に着目したのは、「子ども部屋の空気感」でした。
明るくポップなキャラクターのカーテン、派手な柄のラグ、ブルー×レッドの家具。
元気ではあるけれど、“集中”とは真逆のエネルギーが溢れていました。
このような空間では、子どもの気が散りやすく、座っていても落ち着きません。
重要なのは、空間のエネルギーを「安心・集中・自立」に整えることでした。
■ 五行診断:「火」と「木」が強く、「土」と「金」が不足
お子さんの命式と、子ども部屋のインテリアバランスから診断した結果は以下の通り。
木:3
火:4
土:0
金:0
水:1
- 過剰:火(刺激・活性)/木(柔軟・成長)
- 不足:土(安定・自己肯定)/金(集中・秩序)
これは、創造性や好奇心は強いが、地に足がつかず注意散漫になりやすい傾向を示しています。
そこで今回のカーテン処方では、空間に不足している「土」と「金」のエネルギーを補い、
過剰な「火」「木」を中和する設計を行いました。
① 「土」のエネルギー:安心できる“居場所感”をつくる
→ ベージュ〜サンド系の厚手カーテン+自然素材の質感
土のエネルギーは、落ち着き・安心・母性的な包容感を象徴します。
空間に「土」が足りないと、子どもは不安定になり、居場所を探し続ける状態に。
今回は、鮮やかだったカーテンをやめ、自然な生成色のリネン混カーテンに変更。
光をやわらかく遮り、視界が“安心のフィルター”を通して落ち着くよう工夫しました。
② 「金」のエネルギー:集中力と秩序を育てる
→ グレージュ系のアクセント+縦ストライプの静かなリズム
金のエネルギーは、整頓・集中・思考の明晰さを司ります。
これが欠けると、学習空間での注意力や継続力が弱まりやすくなります。
選んだカーテンには、落ち着いたグレージュのストライプがさりげなく入り、視覚的に集中力を引き出す構造を採用。
柄はシンプルで飽きず、ほどよいリズム感が無意識に集中を促します。
③ 過剰な「火・木」への対処:刺激を抑える色選び
→ 赤・オレンジ・カラフル柄を排除し、視界から余分な刺激を減らす
元の空間には、派手なキャラクター柄や鮮やかな配色が多く、
視覚情報が多すぎて“頭が常に騒がしい”状態になっていました。
そこで、明度・彩度を抑えたアースカラーで統一し、視覚刺激を減らす工夫をしました。
空間が静まることで、子どもは自然と“自分に向き合う”ことができるようになるのです。
■ 結果:「一人で机に向かうようになった!」──空間が生む自己肯定感
処方から2週間後、お母さまからこんな声が届きました。
「驚いたのが、私が何も言わなくても、自分から子ども部屋に行って、
宿題や読書をするようになったことです。
前はすぐに『できない』『無理』と言っていたのに、
『今日は10分集中できた!』って、うれしそうに報告してくれるようになりました。」
これは、空間が「落ち着ける場所」になることで、行動も変わり、自信が芽生えた証拠です。
言葉で叱ったり、やる気を引き出そうとするよりも、
“無意識が安心できる空間”をつくることのほうが、圧倒的に効果的なのです。
■ この事例からの学び
| 課題 | 子ども部屋で集中できない/落ち着かない |
|---|---|
| 五行バランス | 火・木が強すぎ/土・金が不足 |
| 処方内容 | アースカラーの厚手カーテン/ストライプ柄/自然素材/刺激色の除去 |
| 効果 | 自主的に机に向かうようになった/自己肯定感・集中力の向上 |
🧒 子どもの“行動”は、「空間」と「色」で変えられる
子育てにおいて、「言葉」や「しつけ」よりも
まず整えるべきは、子どもが安心して自分らしくいられる“場”です。
- 自分の居場所がある
- 落ち着ける空間がある
- 気が散らず、自然と集中できる環境がある
これらはすべて、カーテンひとつで大きく変えられます。
カーテン処方は、未来を担う子どもたちの心の成長にも、大きな力を発揮します。


